*本ブログは ATLASSIAN blogs を翻訳したものです。本文中の日時などは投稿当時のものですのでご了承ください。
*原文 : 2011 年 1 月 6 日、Alex Loddengaard 投稿 “Marketing for Engineers and Small Teams”
ソーシャル・ネットワークは、娯楽映画であることはさておき、私に昔のことを思い出させてくれました。明け方まで皆でハッキングをし、ウェブサイトを立ち上げようとし、疲労困憊で休んでしまう前に最後の機能を完成させ、ソフトウェアにより世界を変えようとしていた時です。ソフトウェアエンジニアは、他の専門家とは異なり、無感覚になるほどに問題解決に挑戦することに情熱を注いでいます。しかし、ソフトウェアエンジニアの皆さん、新しいウェブサイトに作ったものや製品が使用されなかったり、思ったほど採用されなかったことを何度見てきましたか?たくさん起こっていませんか?あなたのビジョンを伝え、プレスを魅了し、世界とアイデアを共有し、顧客に製品やサービスを使ってもらえるよう動機付けをあたえることができなかったのです。では解決策はあるのでしょうか?エンジニアはどのようにして、彼らの製品の市場をけん引することができるのでしょうか?答えはマーケティングによって、です。そして今日、スタートアップや小規模のエンジニアリングチームのためのマーケティング入門について、ブログシリーズを開始することができうれしく思います。このシリーズの意図は、エンジニアがマーケティング活動を向上させるために、どのように週5時間を使うことができるかを理解してもらうことです。シリーズの導入部として、おそらく最も基本的なマーケティングの構築概念である、カスタマーファネル (じょうご) から開始しましょう。
カスタマーファネル
マーケティングとは、製品のことを知らない人々を顧客に変えるプラクティスのことです。マーケティングのゴールは、製品ごとに少しづつ異なります:Facebookのようなウェブサイトはユーザーをより多く増やし、使用し続けてもらうようにすること;アトラシアンは製品の売上と更新を促すこと;Rovioはアングリーバードをより多くダウンロードしてもらうことです。製品によりゴールは異なるかもしれませんが、すべてのソフトウェアエンジニアリングチームにとって共通の、一般的なマーケティングのアドバイスがあります。全ての企業にあてはまる最も一般的なマーケティングの構成概念は、カスタマーファネルです。「セールスファネル」や単純に「ファネル」と呼ばれることも時々あります。ユーザーが顧客へと変わる旅のステップについて、ファネルは説明します。このシリーズを通して、常にこのファネルを参照します。マーケティングの活動がファネルにどのような影響を与えるかを考えながらです。そして、このシリーズが終了するころには、素敵なファネルの概要図と、マーケティング活動との関係を理解できるでしょう。しかし、ここでは、ファネルについて話しましょう。下図は、ソフトウェア製品メーカーが持っているであろう基本的なファネルの例です。
ファネルには強調すべきいくつかの特性があります。まず、ファネルの上部には、製品やサービスに興味のないユーザーがいます。おそらく彼らはあなたのことを知らず、あなたが行っていることについて真面目に調べたことがない人々です。一方、ファネルの下部には、アプリをダウンロードして、ウェブサイトでアカウントを作成して、メーカーの利益に貢献している顧客がいます。アトラシアンのような製品メーカーにおいて、ファネルの最下部では、ライセンス更新や他製品の追加購入を通して売上が繰り返し発生しています。すべての企業のゴールは、ファネル上部のできるだけ多くのユーザーをファネル下部の顧客へと変えるよう促すことです。ファネルを下へ行くに連れて、各段階のユーザー数は減少します。それがこのモデルがシリンダーではなくてファネル (じょうご) と呼ばれている理由です。
ファネルを定義し測定する
企業におけるカスタマーファネルとは、マーケティングを理解するための語彙です。ファネルを定義することから始めましょう。まず、コンバージョン率を上げるために新しいステップを導入することや、ユーザーをウェブサイトから評価へと導くために新しい取り組みを行うことができるかもしれないということに気づくでしょう。次に、ファネルを測定するためのダッシュボードを作成してみましょう。Google Analytics、KISS metrics、Mixpanel はどれも、ファネルを測定したりダッシュボードを作成するのに良いツールです。
カスタマーファネルを測定することにより、実際には各ステージの数字を計算し、より多くのユーザーをファネルの下方へ導くために、企業はマーケティングのアプローチを最適化し始めます。 たとえば、小規模なソフトウェアチームは購入する予算がないため、アトラシアンの製品を使用していないことがデータから分かりました。製品ページ (たとえば JIRA) に非常に大量のトラフィックがあるのに、購入は比較的少なかったのです。アトラシアンがスターターライセンスプログラムを導入したところ、製品を使うチームの数がすぐに著しく増加しました。同様に、製品を評価することをとても簡単にするために、アトラシアンは多くのリソースを投資しています。さらに多くのウェブサイト訪問者を顧客へと変えていくために、製品評価のための中間ステップを導入しました。製品評価により、さらに多くのウェブサイト訪問者を顧客へと変えることができるのです。その評価ステップ内で、評価を後押しするために、また評価者を顧客へと変えるために、常に新しい方法を試しています。”Try now” ボタンを変更したり、評価者に役立つEメールを送信したり、ウェブ訪問から購入へと顧客を導くためにできることは何でも行い、常に実験をしています。評価者向け E メールと “Try now” ボタンについての詳細はこのブログシリーズで別途説明いたします。
マーケティングを強化する今週の 5 時間
このブログシリーズでは、スタートアップ企業やエンジニアリングチームが週5時間で取り組むことができる、箇条書きのアクションリストを提供します。そして、今日のアクションリストは以下のとおりです:
- ファネルを定義する:あなたのファネルがどのようになっているか図を作成し、それを印刷して壁に貼りましょう。ファネルの各ステップは具体的にしましょう。「Awareness (認知度を上げる)」ではなく、認知度を上げるために行っている仕組みをステップにしましょう。ファネルはおそらくこのようなものになるでしょう:
- ファネルを測定する:どのマーケティングの取り組みに集中すべきか理解できるように、ファネルの各ステップのユーザー数を測定しましょう。
- ゴールを設定する:ファネルの各ステップにおいて四半期毎と年間のゴールを設定しましょう。ユーザーを顧客へと変えるために企業を動機付けするようにです。たとえば、Consideration (検討) と Evaluation (評価) の間に大きな落ち込みがある場合、そこにターゲットを設定し、そのターゲットに到達できるようマーケティングに取り組みます。
マーケティング入門
このブログシリーズでは各マーケティングプラクティスに焦点を当て紹介します。イベント、PR、製品マーケティング、E メールキャンペーン、リード生成、などです。各プラクティスは全体のファネルに関連付けて説明されます。小規模チームがマーケティングのために週 5 時間を最も効果的に費やせるように、各ブログにおいて、最も重要な分野に焦点を当て強調し、苦労話を共有し、推奨事項を提供します。引き続き読むには、Marketing Essentials カテゴリー RSS フィードを購読するか、アトラシアンニュースブログに引き続きご注目ください。
来週は、より効果的に製品の魅力を伝え、最終的に多くのウェブ訪問者、ダウンロード、売上を得られるようにするための、素晴らしい製品マーケティングの方法について見ていきます。
そして、読みたいことを教えてください!
もしご提案、ご質問、あるいはアドバイスについての懸念がある場合は、どうぞコメントでお知らせください。このブログシリーズは、皆さんが製品をより上手くマーケティングできるように書いています。なので、アドバイスの一部になるよう、ご参加ください。
Photo credit: ilmungo
アップデート:まとめの記事である、スタートアップ企業と小規模チームのためのマーケティングアドバイスもご覧ください。