みなさん、こんにちは。アトラシアンでコミュニティマーケティングを担当している新村です。今回は3月11日に開催された第71回 ACE Tokyo Meetupの様子をレポートしたいと思います。ACE Tokyoはアトラシアンの公式コミュニティで東京を中心に活動していて、オフラインのイベントを中心にアトラシアンに関心を持つ皆様の交流の場として多くの参加者にお集まりいただいています。
今回は分科会開催となって2回目で、Teamwork分科会としては初めての開催となります。株式会社ディー・エヌ・エーさんに会場をお借りして、「Jira全社展開の裏側 – 多数の部門と協働して全社標準ツールとして確立させた、調整・工夫・合意形成のリアル」と題して株式会社メドレーの清水さんにお話しいただきました。
ACE Tokyoの紹介と乾杯

今回はTeamwork分科会という事で、ACE Tokyoのリーダーであり、Teamwork分科会のリーダーである伊藤さんからACE Tokyoの紹介がありました。Teamwork分科会のACE Tokyo Meetupでは発表者の事例を聞くだけではなく、参加者同士のコミュニケーションが取れるようにディスカッションをして意見交換ができるようにディスカッションの時間をとっています。
そんな、ACE Tokyo Meetupですが、和気藹々と交流ができるようにイベントが乾杯からスタートします。今回はリックソフトさんにフード&ドリンクスポンサーとして飲み物をご提供いただきました。

会場提供のディー・エヌ・エーさんからご挨拶

会場提供いただいた株式会社ディー・エヌ・エーの岡崎さんより会場のご案内をいただきました。スクランブルスクエアの40階の会場は駅からのアクセスもよく、夜景が素敵な眺望でした。ちなみに、岡崎さんにはTeamwork分科会の運営チームとして会の企画と運営にご参画いただいています。
Jira全社展開の裏側 – 多数の部門と協働して全社標準ツールとして確立させた、調整・工夫・合意形成のリアル
株式会社メドレー 清水さん
今回は第1部を事例紹介として株式会社メドレーの清水さんに、開発組織だけではなく、コーポレート部門、ビジネス部門含めて全社展開し、全社標準ツールとして確立させるまでの事例を紹介いただきました。

こちらが清水さんの発表内容の要約です。
メドレーでコーポレートIT室ITBPグループのマネージャーをしています清水です。
メドレーは「医療ヘルスケアの未来をつくる」というミッションを掲げ、テクノロジーを活用した事業やプロジェクトを通じて「納得できる医療」の実現を目指しています。今回はそんなメドレーでJiraを全社展開した際の経験を共有したいと思います。
プロジェクト管理ツールの全社導入
メドレーではグループの従業員数が急増しており、それに伴いナレッジ管理の重要性が高まってきました。その中で、2018年からConfluence Serverを導入し、2024年6月にはCloudに移行し全社員で利用しています。一方で、プロジェクト管理ツールに関しては各部門がバラバラに契約をしていて、横断的なアカウント管理や契約管理ができていませんでした。そのような状況の中で、組織が拡大し、進行するプロジェクトが増加したことで、下記のような課題が顕在化してきました。
- 契約・事務作業が煩雑
- 各ツールのキャッチアップ・ナレッジの共有がしづらい
- プロジェクト管理手法のナレッジ共有が難しい
これらの課題を解決するために、全社横断でプロジェクト管理ツールを導入しようということになりました。結果的に2024年の8月から検討を開始し、2024年11月には全社稼働を実現し、現時点で29のJiraプロジェクトが作成されています。
Jiraの導入にあたっては次の3つのポイントにおいて苦労しました。
- 費用対効果の可視化の難しさ
- 組織内合意形成
- 全社導入≠全従業員が利用
ここから、それぞれの解決方法を紹介していきます。
費用対効果の可視化の難しさ
プロジェクト管理ツールの費用対効果を明確に示すことは難しいという課題がありました。その課題について、以前にACE Tokyo Meetupに参加した際に他の参加者とも色々と議論しました。最終的に「プロジェクト管理には何かしらのツールを利用しており、プロジェクト管理ツールは現代において必須ツールである」という考えに達し、プロジェクト管理における今の課題を解決するために新たなツールを導入すべきかどうかをベースに検討しました。その上で、全社標準のツールを定めることが最適と判断し、Jiraを全社標準として導入を進めました。
組織内合意形成
導入を進めるにあたっては既にJiraや他のツールを使っている部門に対しては、どうしても移行の負担がかかります。そのため、事前相談、移行メリットの提示、柔軟性の確保の3点を意識して合意形成を行いました。
まず事前相談の観点では全社標準としてのプロジェクト管理ツールがどうあるべきかの認識合わせを行いました。その上で、移行のメリットを説明し既存の各部門で管理していたJiraに関しては、全社管理のJiraに移行してもらいました。ここで説明した移行のメリットは下記の3点です。
- アカウント管理・契約手続きの負担軽減
- 部門ではなく、全社共通で費用負担
- マニュアル作成の負担軽減
その上で、柔軟性を確保するという意味で、Jira以外のツールも例外として利用できる道を残しました。Jiraが業務の利用用途に合わないような場合はJira以外の利用も許可しています。
全社導入≠全従業員が利用
弊社においては、プロジェクト管理ツールは必ずしも全員が必要なツールではありませんでした。そのため、利用するかどうかの判断は部署ごとにマネージャーが判断をするようにしています。また、過剰なライセンス数を保有しないように、Jiraの利用はチームタスクに限定して利用を許可するようにしています。
まとめ
Jiraを全社導入するにあたっては、課題設定と利用部門の理解が重要になってきます。利用部門のニーズを正確に把握し、課題を設定してツール導入の目的意識を共有、そして導入のメリットを示すことで移行への抵抗感をへらすことが、全社導入にあたっての重要なポイントだと考えています。
当日の発表資料はこちらからご覧いただけます。
テーマに分かれてのディスカッション

今回は3つのテーマに分かれてディスカッションを行いました。それぞれのテーマのホワイトボードの結果はこちらです。
Jiraで解決できたチームの課題

Jiraをチームに浸透させるための取り組み

Atlassianツールを使って情報共有する工夫

そして懇親会へ

今回フード&ドリンクスポンサーをしていただいたリックソフトの大貫社長から乾杯のご挨拶をいただき、懇親会がスタートです。先ほどのディスカッションの続きをされる方、いろんな参加者の方と自分の課題を相談される方など本当に活発に交流いただいていました。
ということで、最後はいつも通り集合写真で締めたいと思います。
