インフラストラクチャおよび運用(I&O)部門のリーダー達は、窮地に立たされています。複雑化したクラウドシステムや分散チームの運用といった難しい課題に加えて、経済の不確実性の高まりにより、予算や投資に対する監視の目が厳しくなっています。ただし、ことサービス管理に関しては、このような監視の目が向けられるのには十分な理由があります。Gartner®社による2022年度版の『A Buyer’s Guide for ITSM Platforms』レポートでも、「ITサービス管理プラットフォームについては、10社中8社が、利用されない機能の費用まで負担していることから、活用されている機能の倍以上のサブスクリプション費用を支払っている1」ことが明らかにされています。
アトラシアンでも、レガシーソリューションからJira Service Managementに切り替えたお客様から同様のお話を伺うことがあり、多くの企業が、膨れ上がったライセンス料や導入にかかる長い時間、そして終わりのないメンテナンス作業など、投資効果において様々な課題を抱えていることを認識していました。そこで、こうした課題を解消すべく、サービスデスクツールであった「Jira Service Desk」を、ITサービス管理ソリューションとして「Jira Service Management」に進化させ、継続的にその機能を強化してきました。
先週ロンドンで、サービス管理に特化したイベント「High-Velocity ITSM」が開催され、IT運用チームのみならず、組織のあらゆるチームによる自律的かつ効率的なサービス提供を実現するJira Service Managementの新機能と、本ソリューションに関するお得なキャンペーンが発表されました。このブログでは、同キャンペーンとイベントで発表された新機能の概要について、日本語でご紹介します。
「End Bad Service Management」キャンペーン
本キャンペーンでは、柔軟にJira Service Managementを導入いただけるよう、ご利用規模に応じた2つのオファーをご用意しています。
- 小規模チーム向け
キャンペーン期間中に、新規でJira Service Managementを開始されたお客様を対象に、エージェント数最大10名まで、1年間、Standardプランを無料でご利用いただけます。 - 大規模組織向け
キャンペーン期間中に、エージェント数201名以上のJira Service Managementを3年契約いただくと、初年度の費用が30%割引になります。クラウド版のStandard、Premium、Enterpriseプラン、およびData Center版でご利用いただけます。
レガシーなサービス管理ソリューションにおいて、必要以上の機能に付随する多額の費用や、複雑な導入プロセスに課題を感じているお客様は、この機会に是非、Jira Service Managementのご利用をご検討ください。
以下より、High-Velocity ITSMイベントで公開された新機能の概要をご紹介します。また、個別の機能はこちらの記事でご確認いただけます。
モダンで自律的なサポートチームを実現
企業がリモートワークやハイブリッドワークの対応に取り組む中、サポートチームはこれまで以上に多くのリクエストに対応しています。従来型のITサービス管理ソリューションでは、サービス提供において中央集権的なアプローチが余儀なく取られていましたが、アトラシアンでは、ビジネスチームでも他の従業員に提供するサービスを自ら構築し改良できる自律性を実現します。
アトラシアンは、人事から総務、財務など、すべてのサービスチームの可能性を解き放つことを目指しており、この度発表した新機能の多くは、従業員のサポート体験に焦点を当てたものとなっています。
チャットとバーチャル・エージェントにより第一線に立つチームを強力にサポート
この度、Freeプランを含むすべてのJira Service Managementのプランでチャット機能が利用できるようになりました。これにより、あらゆる規模のチームがリクエストに迅速に対応できるようになります。
チャットから起票できるチケット管理機能により、従業員はSlackやMicrosoft Teamsといった広く利用されているコラボレーションツールのチャンネルから直接、サポートリクエストを開始することができます。サポートエージェント(対応者)は、Jira Service Management内でリクエストに返答したり、アクションを起こすことができ、従業員とエージェント双方の時間が節約され、リクエストの迅速な解決につながります。
サポートを受けやすくすることは素晴らしいことですが、従業員が自ら必要な解決策を見つけられると、さらに良いのではないでしょうか。
サポートリクエストの自動化とトリアージを支援すべく、Jira Service Managementのバーチャル・エージェントテクノロジー(英語のみ対応)の早期アクセスプログラムを来年早々に実施いたします。Percept.aiで実現された会話型AIエンジンが内蔵され、機械学習モデルを活用して過去のリクエストを選別し、リクエストを理解、意図別にグループ化、そして過去の解決を分析することで、将来のリクエストを自動化したり、事前に防ぐことができます。本機能の早期アクセスをご希望の方は、こちらから待機リストに参加いただけます。
ドキュメンテーションは、従業員を自己解決に促すことができる実績ある戦略です。Jira Service Managementでは、Confluenceで実現されるナレッジベースをすぐに使用でき、対応チームは豊富な情報をまとめ、メンテナンスすることができます。エージェントはサービスプロジェクトを離れることなく、ナレッジベースの記事を作成、編集、削除することができます。Confluenceのライセンスは必要ありません。作成された記事は、ヘルプを必要とする人がリクエストを作成する際、チャットやバーチャル・エージェント、サービスポータル内で提案として表示され、従業員が迅速に回答を見つけられるようサポートします。
マーケティング、ファイナンス、アナリティクス向けにあらかじめ作成されたテンプレート
新しいサービスデスクの立ち上げが、かつてないほど迅速になります。人事、総務、法務、カスタマーサービスなどの既存のものに加え、これらの新しいテンプレートは、ビジネスチームがキャンペーンのキックオフから財務報告のリクエストまで、あらゆる依頼を処理するワークフローの迅速かつ容易な構築を実現します。
これらの部門向けのあらかじめ作成されたテンプレートに加え、300種類以上のフォームのライブラリがあり、その数は増え続けています。ローコード/ノーコードで構築できるフォームビルダーを使用して、項目の動的な表示切り替えが可能なサービスリクエストフォームやワークフローを作成することができるため、リクエスト時のやり取りを最小限に抑えてデータの取得を合理化し、より良い自動化が可能になります。
モダンな運用チームに必要なスピードを実現
アトラシアンは、開発領域における強力な基盤をもとに、ソフトウェア開発チームとIT運用チームを連携させる機能や特徴に取り組み続けています。チームがより大きな自律性を持って、インシデント対応のために集結し、製品やサービスをより速くリリースしながら、ビジネスリスクも管理できるようにしたいと考えています。これを実現するため、インシデント管理と変更管理のプラクティスを強化する新機能と新しい自動化を追加しました。
外出先でのインシデント対応:新たにモバイルデバイスでのアラートの受信や、オンコールスケジュールの編集、重大インシデントのエスカレーション、タイムライン上でのチームの招集と更新、関係者への通知など、すべてモバイルで行えるようになりました。
新しい変更リクエストの自動化と高度な承認:もう変更リクエストを手動で行う必要はありません。変更リクエストを自動化するための連携リストを拡張し、デプロイメントをより効率化するためにGitHubとGitlabを追加しました。新しい高度な変更承認ルールにより、承認プロセスのより詳細な設定が可能になり、特定の人を承認者から除外したり、複数グループの承認のために特別なルールを設定できるようになりました。
インシデント後のレビューコラボレーションや、分析、インサイト、サードパーティとの統合など、開発およびIT運用チームを強化するその他の発表機能については、こちらをご覧ください。
エンタープライズ向けの改善
エンタープライズのお客様向けにスケーラビリティとデータレジデンシーの大幅な改善を行っています。
まずお知らせしたいのは、オーストラリア、EU、米国、ドイツ向けに、Jira Service Managementでのデータレジデンシーの範囲を、Opsgenie、アセット、フォームを含むコア機能にわたり拡張していることです。これによりお客様は、Jira Service Managementが必要とされる場所に地理的に設置されるよう、単一の管理地点を持つことができます。今後のロードマップには、英国、日本、フランス、カナダのサポートが予定されています。
また、高度に規制された業界のお客様とも協働できるよう、業界の認証や認可の取得に継続的に取り組んでいます。昨年は、EUの銀行・金融サービス分野のお客様向けに、欧州銀行監督機構(EBA)の規則に準拠しました。そして今回のイベントでは、Jira Service Management CloudのHIPAAへの準拠が今年末に予定されていることを発表しました。
そして最後に、2023年中にJira Service Managementでサポートするエージェント数の上限を20,000名に増やす目標であることをお知らせします。この公開スケジュールについての詳細は、2023年4月に開催されるTeam ’23でご案内する予定です。
おわりに
Lufthansa、The Telegraph、ソニー・ミュージックパブリッシング、The Very Groupなど、45,000社以上のグローバル企業が、インシデント管理、資産管理、サービスリクエスト管理、開発・運用チームの連携など、エンタープライズ向けの最適なソリューションと価値の提供に、Jira Service Managementを活用されています。アトラシアンは、2022年 Gartner® Magic Quadrant™ for IT Service Management Platforms2 において「Leader」として選出されました。引き続き、未来のサービス管理を見据え、機能向上に取り組んで参ります。
関連リンク
- 「End Bad Service Management」キャンペーンの特設ページ
- Jira Service Managementの新機能一覧
- 「Atlassian Presents: High-Velocity ITSM」イベント(英語のみ)のアーカイブ配信登録
1 Gartner, Inc.「A Buyer's Guide to ITSM Platforms」、著者: Chris Matchett, Rich Doheny(発行日: 2022年8月4日)
2 Gartner「Magic Quadrant for IT Service Management Platforms」、著者: Rich Doheny, Chris Matchett, Siddharth Shetty(発行日: 2022年10月31日)
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