課題管理とコラボレーションツールを用いたマーケティング・キャンペーン実行方法

*本ブログは Atlassian Blogs の翻訳です。本文中の日時などは投稿当時のものですのでご了承ください。
*原文 : 2012 年 11 月 6 日投稿 “How to Execute a Marketing Campaign Using JIRA & Confluence

多くの組織で、ソフトウェア開発者は課題管理ツール JIRA を好んで使い始めています。開発やサポートのチームは JIRA を使ってバグ、機能、タスクなどを管理しています。一方、技術以外の他のチームでは仕事リスト、スプレッドシート、電子メール・クライアントのカレンダーなど、組織の「たまり場」を重い足取りで歩いており、身動きがとれないかのようです。JIRA の強力な追跡・コメント・共同作業といった機能を利用していない組織の場合です。

そんな状態に陥る必要はありません。営業、マーケティング、財務、法務、テクニカル・ライター、ビジネス開発、役員、その他誰でも JIRA を毎日の仕事に活用することができます。

はじめに

アトラシアン Marketplace というものがあります。JIRA、Confluence、その他の多くのアトラシアン製品の何千以上ものアドオンが集まった唯一の場所です。それは (今も昔も) 素晴らしいものでした。そして、そこでは毎日才能のある開発者や世界中の企業が新たな無料または有料のアドオンを提供し、顧客の問題を解決したり機能を追加しています。

私たちが直面したチャレンジの一つは、Marketplace に提供された新たなアドオンを顧客へ通知する方法でした。そこで数名の頭の良いアトラシアン社員が皆で知恵を絞ってひらめきました。彼らは Marketplace にニュースレターを導入して Marketplace の優れたアドオンを紹介したり、トップセラーに称賛を送ったり、最近提供された新たなアドオンをフィーチャーすることにしました。

ステップ1a: Confluence ページ

お菓子の pretzel M&Ms と同じぐらい革新的なアイデアを元に、私たちは最初の合理的なステップとしてコラボレーションツール Confluence 上にページを作りました。私たちは Confluence を使ってニュースレターの目標や成功基準を文書化し、対象読者が誰なのかを書き留め、取り上げたいコンテンツを企画しました。

ステップ 1b: 最初の JIRA 課題

同時に、アトラシアンのマーケティング グル Jon Silvers が弊社内の JIRA の、あるインスタンス上で、マーケティングチームプロジェクト内に課題 MKT-5251 を作成しました。ニュースレターの初期モックアップやブレイン ストーミングをするためのチケットです。Jon はまたアドオンである Balsamiq for JIRA を使って電子メール のモックアップを作りました。

私は Balsamiq の便利なプラグインを使い、このモックアップを作り上げて自分で提供しました。Jon は「モックアップについてうらやましい」と思っていたことを認めました。

比較するために電子メール・ニュースレターの他社の例をいくつか追加して、コメント内でより詳細に議論しました。

ステップ 2: 今までで一番短いミーティング

私たちがその電子メールに関する最初のミーティングを行った時、数時間はかかるかもしれないような決断を数秒で行うことができました。電子メール のデザインに関する全ての問題は、少なくともマーケティングや Marketplace のチームの観点からは、JIRA の課題上で既に結論が出ており、初期計画の多くは効率的・効果的に実行されていました。Confluence のページはミーティングをガイドするために役に立ちました。全員に私たちの目的や目標を思い起こさせ、既になされた全ての決断を素早く検証することができました。最終的なモックアップをページに埋め込み、プロジェクトは Marketplace 製品マーケティング、製品管理、電子メール マーケティング、マーケティング・チーム・ディレクターの承認を得ることができました。

デザインに向けて!

モックアップでヒットを打つ準備は整いました。アイデアを実現するには、アトラシアンの素晴らしいデザイナーの助けが必要でした。私たちはモックアップを持ちこんでデザインチームのために新たに JIRA 課題を作成しました。デザインチームが必要とするコンテキストを与えるため、JIRA 課題上に、コンテキストやプロジェクトの説明などいくつかの例を追加しました。

デザイナーの一人 Jimmie は以下のように語っています。

私はビジュアルデザイナーとして、一日を最大限に活用することが最も重要な優先事項であり、JIRA はまさにそれをするのを手助けする製品でした。一度に大量のプロジェクトに携わっている時、コミュニケーションはプロジェクト自身と同じぐらい大変になりえます。JIRA はその問題を100%解消してくれました。紙のコピー、終りなき電子メール・チェーンや添付ファイルの紛失などとはおさらばしました。JIRA によってクリエイティブなことにより多くの時間を使い、電子メールに埋没される時間をより少なくすることができました。

JIRA を使って共同作業することにより、マーケッターとデザイナーの間で頻繁に連絡が止まってしまうといった非効率なことをなくすことができます。JIRA のおかげで、デザイン・プロセスを難航させる多くの堂々巡りを切り抜けることができました。コミュニケーションやインタラクションは一ヶ所に集中しており、ややこしい電子メールのチェーンはもうお役御免となり、全員がプロジェクト状況を知ることができます。

結果

JIRA 上でのコラボレーションにより Marketplace の製品マーケティング (私)、Jimmie (デザイナー) そして Kevin (電子メール・マーケティング・マネージャー) はデザインに集中することができました。しかしまだ終わりではありませんでした。Kevin はまだ ExactTarget という電子メールプログラムで Jimmie のデザインをセットアップして、テスト送信をする必要があったのです。私もまだ、全ての新しいアドオンを集め、文章を書き、全てのボタンへのリンクを定める必要がありました。

さらにもう一つの Confluence ページ

私はメインのプロジェクト概要ページの子ページとして新たな Confluence ページを作りました。電子メールに入るアイコン、名前、リンクやテキストなどを追加したのです。Confluence により残りのプロジェクトとこのページが一貫性を保つことができ、Marketplace チームの他のメンバーがどのアドオンを入れるのかをチェックして間違いを探すこともできました。私の部分が完了すると Kevin と「共有」しました。そして私たちは次回の電子メールのスタート地点として、今回使ったリソースを簡単に探すことができるようになりました!

そしてもう一つの JIRA 課題

元々のモックアップの課題やデザインチームの課題の他に、私たちは 電子メール 送信を管理するためにマーケティング・プロジェクト内でもう一つの JIRA 課題を作りました。Jimmie は最終デザインを添付し、Kevin と私はコメント内での複数のテスト送信を通じて電子メールを手直ししました。課題において一カ所のコメントスレッドを持つことにより、プロジェクトの関係者全員が同じ情報を共有し続けることができました。もし全員が個別に Kevin にフィードバックを送っていたら発生したであろう多くの二度手間を、統一されたコミュニケーションのチャネルにより解消しているのです。JIRA 課題を使うことにより私たちは議論を共有できました。

最終的な電子メールを送信する準備が一旦整うと、最初のバッチである8000人の顧客へ、その後残りの 80,000人の顧客へ 電子メール を送信し、経過を追跡し続けました。弊社 IT スタッフはその課題を監視して電子メールがいつ送信されるのを知ることでトラフィックの急上昇に備えることができました。彼らは splunk ログを課題に追加することでトラフィックを文書化することさえしました。

いくつかの Confluence ページと JIRA 課題 (もちろん全てがお互いにリンクしています) により、4つの別々のチームの 7人のアトラシアン社員は効率的にコラボレーションすることができ、88,000人の顧客に魅力的な電子メール・ニュースレターを届けました。アトラシアン Marketplace 史上最大のトラフィック獲得の日となり、ニュースレターでフィーチャーしたアドオンの評価数は急上昇しました。

結論

非技術チームによる JIRA や Confluence の利用を促進したいと考えているのであれば、3つのことを覚えておいてください。

  1. 怪獣 (ゴジラ) にちなんで命名されたものの、JIRA は怖いものではありません。JIRA はマーケッターやデザイナーにとってそれほど複雑ではなく、仕事やプロジェクトをコーディネートしたり、モックアップや画像を添付したり、コメントや @メンション で共同作業することができます。
  2. JIRA と Confluence は一緒に使う方がさらによいです。課題が埋め込まれてページが課題からリンクされていると、JIRA 課題と Confluence ページを行ったり来たりすることが簡単になります。
  3. よいコラボレーションは正確な同じ情報源に全員が依存することにより生まれます。もし JIRA と Confluence をコラボレーションのために使っているのであれば、悪い習慣を目をつぶったりして D.E.F のケースに陥らないようにしましょう。

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追伸

もちろん、これは物語の終わりではありません。電子メール送信後、結果を収集、可視化、そして議論するための Confluence ページを作りました。電子メール自体からのクリックデータと同様に、Google Analytics や Marketplace 上のアドオン評価データも含めました。プロジェクトに携わった人が考察したり役員からインプットをもらうのによい機会でした。

コラボレーションのための Confluence の使い方についてもっと知りたい場合、コラボレーション ベスト プラクティスを提供する Confluence チームのこちらのウェビナーをご覧ください。