本ブログは、こちらに掲載されている英文ブログの意訳です。内容に相違がある場合は、原文が優先されます。
仕事とは現在でもとても厄介なものです。孤独や隔たりを感じたり、モチベーションを保てなかったり、燃え尽きたり、当初思っていたほど貢献できていない事実に直面したり。仕事の複雑さは日に日に増すばかりのように思えます。
そして未来の仕事環境に仮にAIが活用されるとしても、移り変わる仕事の環境、技術の革新、仮想現実など、どれをとっても未来の働き方は全て「チーム」なのです。業種を問わず、効率性の追求、生産性、業務のワークフローの最適化などを色々模索していますが、忘れられがちな成功に最も大切な要素は結局「人間」です。
長い間、どこで仕事をするか、ばかりが議論にのぼっていました。もしご自身のチームで素晴らしい成果を成し遂げたいのであれば、むしろ仕事の「誰が、どうやって、なぜ」にこそ焦点を当てるべきなのです。
アトラシアンはチームを支援するツールに留まらず、新しい働き方の実践に必要なプラクティスも提供しています。弊社のプロダクトは世界中のチームのコラボレーションを支援します。しかし、プロダクトを使うだけではチームの可能性を解き放つことはできません。チームの可能性に火を灯すのは、そのツールをどう活用し、どうやって仕事をこなすか、にかかっています。そして、ユーザーがその課題に直面する前に解決策を提示するのが弊社の役割です。
弊社の「新しい働き方」の提案では、同様の仕事に従事する人々、お客様、リーダー層向けに、我々が得た知見を集積してご提供しています。弊社ほどプロダクトとその活用方法を併せてチームの働き方をより良くする取り組みを行っている会社はありません。そして成功の秘訣を無償で誰にでもアクセス可能な形で提供する会社もそんなに存在しないのではないでしょうか。
アトラシアンの働き方を再定義する:すべての始まり
アトラシアンにとってすべての始まりは我々のミッションである「チームの可能性を解き放つ」事です。我々はトライアンドエラーを繰り返す文化を大切にしており、まさに弊社のプロダクトと同様に、継続的な改善を続けています。コロナ禍が始まった時、大きな変化に挑戦し、我々自身も進化する機会と捉えました。それ以来、現在までも、弊社のチームはすべての部門において場所を問わず働いています。チームによってはオフィスで勤務し、一部はハイブリッド、ほかはフルリモートです。我々がTeam Anywhere と呼ぶこのポリシーによって、弊社がオフィスを構える国の中では場所を問わず仕事の場所を選ぶことができます。
この数年で弊社の組織規模は拡大しました。事実、約40%の社員は「リモート勤務」と位置づけられ、最寄りのオフィスから2時間以上離れた拠点で仕事をしています。それゆえ、効率的なチームワークづくりに対してはより一層、意識的に取り組んでいます。
この分散型の組織運営を通して得られた知見を元に新しいプロセス作りや働き方を検証した上でお客様にご紹介するのがこの取り組みです。しかし、これらの新しい働き方の模索は当然完全なものでは無く、また、あらゆる問題を解決するようなものでもありません。しかし、検証した結果を方法論として共有することにより、皆さまの組織運営が一段階でも二段階でも良くなる事を願っています。
組織のコラボレーションツールを新しく導入するだけで全て解決するわけではない、というのは弊社が以前実施したState of Teams調査レポート(英語)でも同様の結論が確認できています。何度も繰り返しお聞きするのは、そのツールを「どうやって」活用して新しい働き方を実現するのか、です。新しい技術だけでなく、協調、団結、心理的安全性、革新性など取り入れなければいけない事は多岐に渡ります。これこそがアトラシアンとModern Work Coachがご支援できるところなのです。
お客様に提供する、我々のプラクティス
弊社の年次フラグシップイベントであるTeam '23では、お客様のより効果的なチームづくりをサポートする「Ways of Working」の提供を発表しました。これはコラボレーションのあるべき姿や高パフォーマンスなチームの概念をまとめただけの資料ではありません。チームワークにおいて陥りやすい課題に取り組むにあたり、細かい手順に沿って実践できるガイドになっており、今からすぐに利用することができます。
では、一体どうやって進めるのか?
まずは弊社のModern Work Coachが、お客様が抱える働き方についての悩みを理解することから始まります。コラボレーションにおける課題の本質を把握し、状況に応じてカスタマイズされたプレイを対面またはリモートで実施し、お客様の働き方の改善をサポートすることを目指します。
このModern Work Coachが実施するプレイは幅広いユースケースに対応しており、日常的に行う定例業務の評価と優先順位づけや、より良いチームのミーティング運営、ビジョン・ゴール設定などがあります。これらはAtlassian Team Playbookという形で、弊社プロダクトであるConfluence、Jira、Trelloなどのテンプレートと組み合わせることによって簡単に始めることができます。アトラシアン自らの経験をもとに作成され、社内で検証された上で公開されている公開しているこれらのプレイは、これからもお客様のフィードバックを取り込み、適宜内容が更新されています。
これらはコンプライアンス目的のものというよりは、一般的な業務全般に対応し、あらゆる部門で活用できるものです。一方、チームというものは一つ一つが異なるものであり、個々の問題や要望に答える素晴らしいリーダーシップが求められているのも理解しています。
また、弊社のModern Work CoachはAtlassian Universityで無償のコース(英語)を公開しております。これには、 Async Collaboration for Distributed Teams, Running Effective Meetings, Team Shaping などが含まれます。
最後になりますが、Teamwork Lab space on Atlassian Community もご紹介します。このAtlassian Communityオンラインサイト上にあるフォーラムでは日々、様々な新しい働き方についての議論、討論、情報共有が活発に行われています。誰もがここで同業種・異業種問わず、他社の状況から学びを得ることが出来ます。そして、私達も皆さまから学びを得たいと思っております!
組織構造、組織文化などは、全く同じという会社は存在しません。だからこそ、弊社のプラクティスはカスタマイズ可能なものとなっているのです。
CUSTOMER SPOTLIGHT: DISH NETWORK
DISHネットワークはModern Work Coachを初期からご利用いただいている一社です。同社は北米で 最初に5Gネットワークを構築した会社の一つで、常に最高のパフォーマンスが求められる環境でした。最初にスコープに入ったのは、5Gネットワーク・インフラのアーキテクチャを担当する、非常に重要な技術開発部門でした。
部門の大多数がハーンドンとデンバーの拠点で業務に従事する一方、異なるツールやプラットフォームを活用する外部の契約社員も参加する部門だったため、このプログラムの対象としては非常に興味深いお客様でした。アトラシアンのModern Work CoachであるMark CruthによりTeam Shaping workshopを実施しました。これは、新設・既存問わずチームのゴール設定、より良いチームの在り方や働き方などを定義するのを目的としたものです。
このセッション以降、コラボレーションツールの共通化、ミーティング数の見直しと削減、有意義な非同期型コラボレーションの増加などの効果が見られているとのことです。事実、これらの結果、新しい組織機能を全社展開するに至り、技術・非技術部門やオンサイト・リモート勤務の部門問わず50以上のプレイを実践しているとの事です。
これらの詳細については2022年に開催されたAtlassian Presents: Work Life '22イベントのセッション動画でも語られており、オンデマンド配信はこちら でご覧いただけます。
具体的に始めるなら、まずはここから!
分散型リモートワークの環境であればなおさら、そうでない会社も含めて、課題を抱えている会社は多いと思われます。ここでまず始めに活用いただきたいのは、最も頻繁に聞く課題である「理解の共有=今、自部門の誰が何をしているのか、そしてなぜそれらに取り掛かっているのか」という点です。
そしてこの問題は分散型組織では更に大きな問題となりやすく、リスクとして生産性の低下、革新性の低下、目標の達成が困難になる、などの問題に行き着く可能性があります。対処法として弊社がご提案するのは、まずは効果的に仕事をこなし、目標を達成するために何をするべきかを明確化する理解の共有です。
これを進めるに当たり、下記のご自身で手順通りに進めるだけで完了できるプレイを部門内で実施してみることをお勧めします。60分ほどの所要時間を想定するこのプレイにより、業務への理解が深まるのは確実と言えるでしょう。
- Team Poster(チームポスター): 自部門が何を達成しようとしていて、その為に最適な進め方を定義します。
- Roles & Responsibilities(役割と責任): 各メンバーの責任範囲と、在るべき姿との差分を理解することができます。
- Network of Teams(チームのネットワーク): 周囲の部門や利害関係者を洗い出し紐付けます。
- Working Agreements(作業合意): 自部門内でコミットする業務をお互いに明確化します。
もう少し明確なガイダンスが必要と感じた場合は、こちらの Atlassian University course を通してより詳細な進め方をアトラシアンのModern Work Coachがご紹介します。
複雑な状態から抜け出す唯一の方法はとにかくやり遂げること
これは一つの問題に対する一つの答えでしかありません。大きな一歩ではあるのですが、私達「新しい働き方」のチームも取り組みを始めたばかりなのも事実です。
新しい働き方をただしく取り入れるメリットは、中途半端でやめたり諦めるには勿体ないものです。アトラシアンでは、素晴らしい人材、強力なツール、新しい働き方を組み合わせることにより素晴らしいチームを生み出し、難しい課題すら解決できると信じています。最大の資産である人材に少しの時間を投資して、チームの可能性を解き放つ旅路の一歩を踏み出しましょう!