2024年10月8日より3日間開催されているTeam’24 EUROPEにおいて、多くのお客様にご愛顧いただいているJiraの大きなアップデートが発表されました。
2002年にアトラシアンが発表したJira Softwareは今日、アジャイルプロジェクト管理ソフトウェアの市場リーダーとなり、アジャイルチーム向けのナンバーワンのソフトウェア管理ツールとして常に高い評価を得ています。(注1) Jira Softwareのもつ、プロジェクト計画、タスク管理、進捗管理、コミュニケーションといった主要な機能は、必ずしもアジャイルチームだけに適用されるものではなく、マーケティングや製品開発といった非エンジニアに対しても有効です。
これを踏まえ、ビジネスユーザーを対象としたJira Work Managementを2020年にリリースしました。さらに、今年の5月に開催された Team ’24 Las Vegasイベントでは、Jira SoftwareとJira Work Managementを統合し、あらゆるチーム向けのツール「Jira」として生まれ変わることを発表しました。今回のアップデートでは、あらゆる作業をより簡単に、柔軟に、強力に行えるようにする機能を強化しました。
チームにあわせた柔軟性の提供
Jira は、チームがゴールや優先順位を調整し、作業を追跡ながら共同作業を行い、優れた成果物を作り上げるために必要なインサイトを得るための共有スペースです。今回のアップデートでは、多様なチームのワークスタイルをサポートする柔軟性とカスタマイズ性を強化しました。
ナビゲーションの改善とカスタマイズ機能
プロジェクトだけではなく、計画やゴールといった、プロジェクトの上位に位置づけられる概念を取り入れ、全社的に重要な情報への簡単なアクセスを追加しました。 サイドバーは利用者の好みにカスタマイズを可能にしました。たとえば、 重要度順に項目を並べ替えたり、関連する作業を固定したり、不要なものを非表示にするなど、ユーザーが作業に集中できるための環境を提供します。
新しいサイドバーとともに、AI による検索を可能にするグローバルトップナビゲーションを導入しました。 AI による検索は、Jira、Confluence、その他の アトラシアン製品全体からもっとも関連性の高い情報を表示します。 これにより検索に要する時間を削減し、より多くの時間を成果を出すことに費やすことを可能にします。
プロジェクトチーム毎にカスタマイズ可能なユーザーインターフェイス
プロジェクトを推進するのはあくまで人間です。プロジェクトチームにもそれぞれの雰囲気や個性があります。今回のアップデートでは、チームの雰囲気をより反映したインターフェイスのカスタマイズ機能を追加しました。 新しい背景色、画像、カードカバーにより、チームの雰囲気を Jira に反映させることができます。
課題(イシュー)の廃止
Jiraは元々アジャイル開発を行うチームを対象ユーザーとしていたため、タスクを「課題(Issue)」というアジャイル開発の用語で呼んでいました。今日Jiraのユーザーは開発者のみに限定されずビジネスユーザーにも広く利用いただいているため、Jiraでの作業のデフォルト名として「課題」という名称は廃止します。「課題」という代わりに、タスクを「ローンチ」、「タスク」、あるいは「課題」など、どのように参照するかを選択可能としました。
作業方法を拡張するカスタムプロジェクトテンプレート
企業が成長してゆく中では一貫性は重要な要素です。カスタムプロジェクトテンプレートを使用すると、ワークフローや自動化、フィールド、権限などを事前に設定した、再利用可能なテンプレートとして組織全体で利用できるようになります。カスタムプロジェクトテンプレートを使用すれば、マーケティングキャンペーンや人事の入社プロセスなど、標準化したいプロセスを簡単に定義できます。
チームの作業をさらに簡単に進めるための3つの新機能:
- リストの条件付き書式設定: チームにとって最も重要な項目をハイライト表示するために、行やセルの条件付き書式設定ルールを作成できます(例えば、今期の締め切りが迫っているすべての作業を赤でハイライトするなど)。
- フォームテンプレート: あらかじめ用意されたフォームテンプレートを使用すれば、さまざまな用途の依頼フォームを簡単に作成できます。 マーケティングチームの場合、ウェブサイト更新やコンテンツ作成など、頻繁に依頼される作業用のフォームを簡単に作成できます。
- 添付ファイルハブ: デザインチームなど、Jiraでは、プロジェクトに関連するすべての画像や添付ファイルを一元管理できる添付ファイルハブ機能が追加されました。 特定のファイルを検索したり共有したりするために、アプリを切り替える必要はもうありません。
AIによりJiraでの作業をより効率的に
Jiraに組み込まれたAtlassian Intelligence (AI) は、個人の能力を最大限に引き出します。障害の特定や次に取るべき行動に関する推奨事項の提示や、ビデオの文字起こしからタスクを自動的に特定するなど、JiraのAIはよりスマートな作業を可能にします。
タスクの作成を効率化
AIによるタスク作成機能は、ConfluenceのページからJira内のタスクを簡単に特定し作成するものです。テキストをハイライトするだけで、ページから直接作成できるタスクをAIが提案します。他にも、Slackのメッセージからワークアイテムを作成したり、AIを使用してConfluenceのページ全体をスキャンし、アクションアイテムを一括で複数のワークアイテムに変換することが可能です。
Loom ビデオからワークアイテムを自動作成
非同期コミュニケーションツールである Loom のAIワークフローを使用すると、Loomの動画を簡単に Jira のワークアイテムに変換できます。 Loom で録画し、「課題を作成」をクリックするだけで、Loom AI が動画の文字起こしに基づいて Jira プロジェクト用の詳細なワークアイテムを生成します。 これで、構造化されていない思考を数秒で構造化された作業に変えることができます。
タスク分割をAIがサポート
ワークブレークダウン機能は、大規模なプロジェクトをAIが個々のタスクにブレークダウンする支援を行います。関連するサブタスクはJiraが推奨してくれるので、ユーザーはワンクリックでサブタスクを作成することができます。
AIでさらに賢く作業できる2つの方法:
- Issue reformatter (公開予定): 生成AIプロンプトを使用して課題の説明を一貫した明確な枠組みで確認し書き直すことで、課題内の情報の明瞭性を向上させ、全員が同じ情報を共有できるようにします。
- 作業の提案: Jira内でもっとも効果的なアクションの提案を表示することで、次の最適なタスクを見つけやすくします。これにより開発チームは障害を克服し、ボトルネックを排除し、デリバリーのペースを加速させることができます。
チーム全体の一貫性を維持
エンジニア、マーケティング、デザイナーなどのメンバーは役割に応じそれぞれ異なる作業を行いますが、中心にあるのは、共通のゴールに向けて一貫性を持って作業することです。すべてのチームをJiraに集約することで、リーダーはゴール設定やチームの優先順位付け、進行中のプロジェクトの進捗状況を容易に追跡できるようになります。
あらゆる場所にゴール(目標)を
「ゴール」機能がJira に組み込まれました。優先事項を常に最前面に表示できるように、ゴールはリスト、タイムライン、カレンダー、および課題のビューで表示できます。また、ゴールによるフィルタリングも可能です。
プログラムマネージャーのためのボードビュー
プログラムボードと呼ばれる新しいボードビューを導入しました。この新しいドラッグ&ドロップインターフェースでは、複数チームにわたる作業とその依存関係とを調整することができます。
Jira – 企業のあらゆるチームメンバーのための共通スペースへと進化
今回のアップデートでJiraは、アジャイル開発チームはもちろんのこと、マーケティングチームやビジネスオーナーといったあらゆるチームメンバーに大規模にご利用いただけるように作業をより簡単に、柔軟に、強力に行っていただくために大きく進化しました。さらに、Atlassian Intelligence によりJiraの利用者がより簡単に効率的に作業を行う支援を追加しています。
最新のJiraは本日よりご利用いただくことができます。さらにJiraは無料版も提供しています。
注1:Atlassian named a Leader in the 2024 Gartner® Magic Quadrant ™ for DevOps Platforms