インシデント発生時にサービスのリストアが至急必要な場合から、変更リクエストの背景情報の把握まで、モダンな開発部門と運用部門が協調して取り組むことで、早期の問題解決につながります。
このブログでは、開発チームとIT運用チームの連携をより高めるべくJira Service Managementに追加された9つの新しい機能をご紹介します!
Microsoft Teamsとの連携
今年6月よりアーリーアクセスプログラムとして提供していたMicrosoft Teamsとの連携機能が、この度、全てのJira Service Management Cloudのお客様にご利用いただけるようになりました。
この連携により、インシデントに対応する担当者は以下のようなアクションを通して、よりスムーズに関係者とのコミュニケーションやコラボレーションを行い、解決につなげることができます:
- インシデント対応中にチャットやミーティングを新規設定
- 他の担当者をチャットやミーティングに招待
- チャットやミーティングから全てのインシデント情報詳細を閲覧
- インシデントの優先度の変更や、自分自身へのアサインをチャットから実行
- Teamsからチャットメッセージを社内メモやユーザへの返答として追加
この機能を使用するには、マイクロソフトのテナントをご利用のJiraサイトに接続し、連携したいプロジェクト上で有効化してください。
この連携機能を利用することで、インシデント発生時にTeamsミーティングを作成でき、関係者と一緒に作業できるようになります。
関連資料: Microsoft Teams をサービス プロジェクトに接続する、インシデントからチャット チャネルを作成する
応答者や関係者をサービスに追加
インシデントがどのサービスに影響を与えているかを把握するのが前半戦と言えます。インシデント対応者とサービスのパフォーマンスに責任を持つ担当関係者は、インシデント発生時は即時に通知を受け取る必要があり、インシデントに関する進捗状況を解消するまで把握し続ける必要があります。
2022年11月より、クラウド版のJira Service Managementでは、応答者と関係者を担当サービスと紐づけることができるようになりました。そしてサービスが影響を受けた時は即時に通知を受け取れます。
既存のサービスにも、新規でサービスを作成するときも応答者と関係者を追加できます。
インシデントの影響を受けるサービスが追加されると、自動的にサービスごとの応答者と関係者がインシデントの詳細画面に追加されます。
関連資料: 対応者アラートとは、 インシデント関係者を追加して管理する
応答者アラートにインシデントの詳細を追加
応答者と関係者のサービスへの紐付けに加え、インシデントの詳細情報を応答者アラートに追加することで、各対応者に背景情報や詳細情報を通知受信時に共有できるようになりました。
インシデント詳細の応答者アラートへの追加は、プロジェクト設定 > インシデント管理より有効化することができます。
これにより、インシデントの詳細がアラートの件名と概要に追加され、通知の背景情報が把握しやすくなります。
関連資料: インシデントの詳細を含む対応者アラートを作成する
インシデントから事後レビュー(PIR)を作成・リンク付け
Jira Service Managementでは、以前からインシデント事後レビュー(PIR)の機能を利用いただけましたが、この11月よりインシデントから直接PIRを作成できるようになりました。
今回のリリースでは:
- インシデントからPIR作成し、追加
- PIRの「プライマリインシデント」として記録
- インシデントのまとめやタイムラインなど主要な情報を自動で生成
- PIRをConfluenceやPDFにエクスポート
- 対応者や影響を受けたサービスの情報を、インシデントの記録からPIRに追加
インシデントの詳細画面からPIRを作成・追加
インシデントのまとめやタイムラインなど主要な情報を自動で生成
応答者や影響を受けたサービスの情報を、インシデントの記録からPIRに追加
関連資料: インシデント事後レビューを作成して公開する
変更カレンダーのフリーズおよび保守の時間枠
Jira Service Management Cloudにあらかじめ用意されている変更カレンダーでは、カレンダーまたは課題ビューで、変更の作成、編集、再スケジュールを行えます。 更にフリーズと保守の時間枠が追加されたことにより、変更カレンダーのさまざまなスケジュールについて把握できるようになりました。例えば、サービスのダウンタイムが前提の変更作業を保守期間中やフリーズ期間以外の時間帯に設定でき、サービス中断の回避やリスク最小化へと繋がります。
フリーズや保守の変更時間枠は、課題ビューからは作成できず、変更カレンダーでのみ作成でき、ITSMプロジェクトタイプでのみ利用可能です。
変更カレンダーの空いているスペースをクリックし、枠をドラッグすると、「作成」ダイアログが開きます。ダイアログの「変更ウィンドウ」を選択すると、変更の時間枠を作成するモーダルが表示されます。
フリーズまたは保守の時間枠は変更カレンダー上ではグレーのイベントとして表示されます。イベントをクリックして詳細ダイアログを開くと、変更についての詳細を確認でき、ここから下記のアクションを行えます。
- 編集アイコンをクリックして表示されるウインドウで各項目の内容を変更
- 削除アイコンをクリックし、時間枠を削除(警告画面が表示されます)
関連資料: 変更の時間枠とは、 変更の時間枠を作成、編集、または削除する
Jira Service Managementで着信のルーティングが利用可能に
Opsgenieとの連携により、Jira Service Managementで着信のルーティングを設定できるようになりました。これまでは単体のOpsgenieでのみご利用いただけましたが、Jira Service Management CloudのPremiumまたはEnterpriseプランをご契約のお客様は、この機能を有効化することで、着信を適切なタイミングで適切なチームにルーティングできるようになります。
着信のルーティング機能により、オンコールの希望に基づいて着信を振り分けと転送を管理できるようになります。これにより、例えば、着信を適切なオンコールのエンジニアにルーティングし、サポートコールのホットラインとして利用することができます。
この着信のルーティングは、お客様からお寄せいただいたJira Service Managementの機能追加リクエストで多くの票を集めた新機能で、これを活用することで、以下のようなメリットが想定されます:
- カスタマーサポートへの入電に確実に応答 – オンコール担当者の人数や対応状況に関わらず、お客様からの着信に必ず応答できるようになります。
- 常に最適な担当が対応 – オンコールスケジュールの設定により、お客様からの入電時に最適な担当者が対応できるようアレンジできます。
- サポートのローカライズと着信を最適な地域へ誘導 – 着信言語サポート機能では、8種類の言語に対応したメッセージが用意されており、カスタマイズ可能なメッセージも含まれます。そして着信のルーティングにより、世界中のどこにいても最適なメンバーが対応することができます。
- ブラウザで着信に対応 – PCさえあれば、担当者はブラウザで着信に対応できます。ブラウザが利用可能な状態であれば、お客様の問題にすぐに取り掛かれます。
- 全てのツールをAtlassianプラットフォームに集約 – Jira Service Managementのお客様は、着信のルーティングを利用いただくにあたり、Opsgenieのライセンスは必要ありません。
関連資料: 着信のルーティング、着信のルーティングを統合する
Jira Cloud モバイルアプリ (iOS・Android対応) から全てのアセットフィールドへのアクセスと編集が可能
iOSおよびAndroid向けのJira Cloud Mobileアプリにアセットおよび構成管理機能が実装されました。現場の担当者であっても、従業員であっても、モバイルデバイスからアセットのカスタムフィールドを追加することができます。
- 担当者は故障したハードウェア機器のQRコードを現場で読み取り、当該機器に関する詳細情報とあわせて課題を作成できます
- 従業員が故障したデバイスのQRコードを読み取り、必要な詳細とあわせて課題を作成することで、迅速に機器の交換プロセスを進めることができます
検索または複数のオブジェクトを選択、または新しいQRコードリーダーによりオブジェクトをスキャンしてオープンな課題に追加することで、アセットのカスタムフィールドを生成することができます。
関連資料: Jira Cloud モバイル アプリのアセット カスタム フィールドにアクセスする
モバイルアプリ (iOS・ Android対応) でもリスクインサイトのサマリーパネルが確認可能
リスクインサイトのサマリーパネルがモバイルでも確認できるようになりました!Jira Cloudモバイルアプリの課題ビューより、下記のフィールドの情報が入力されている場合、当該の変更リクエストにより可能性のあるリスクを確認できます。
- 影響を受けるサービス
- 開始予定
- 終了予定
パネルに含まれるリスクの要約では、リスクの重大度や、承認者が考慮すべき競合やインシデントなどの表示されます。変更諮問委員会のメンバーは、このリスクインサイトのサマリーパネルを移動中などでも確認し、変更に伴う潜在リスクを把握した上で指示を出せるため、現場の待ち時間の低減に繋がります。
関連資料: 変更管理におけるリスク インサイトとは
Android版Jira Cloudモバイルアプリのその他新機能: スマートリプライ
プッシュ通知の受信時に、スマートリプライ機能により素早く返信することができます。
以上、この秋に公開されたJira Service Managementの新機能となります。いかがでしょうか?ぜひ、ご利用の上、製品内の「フィードバックを提供」メニューより、お客様の声やご質問をJira Service Managementの担当チームにお寄せください。
なお現在、Jira Service Managementをお得に始められるキャンペーンを実施中です!詳しくは、キャンペーンページをご覧ください。