Jira Service Management における AI を活用した ITSM
チケットの再ルーティング、繰り返し聞かれる質問への回答、長いコメント・スレッドの確認などの面倒なタスクを AI を使用して処理する方法
Ryan Narragon
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2024 年 1 月 5 日
概要
あなたが知っている、または現在使用している ITSM は、もう過去のものです。それを明らかにするために、ちょっと奇抜な質問をしてみましょう。チームが現在抱えている ITSM タスクの 1 つを魔法の杖で排除できるとしたら、それは何でしょうか?
- 繰り返し聞かれる質問への回答
- スプレッドシートでの資産管理
- チケットでの顧客とのやり取り
- サービス・プロジェクトのセットアップ
- チケットの再ルーティング
- 顧客に代わってリクエスト・フォームに記入
- 変更リクエストの作成
- 長いコメント・スレッドの確認
これらはすべて Jira Service Management の魔法の杖 Atlassian Intelligence で自動化できます。Atlassian Intelligence は、個人の働き方、チームのコラボレーション、組織の価値提供をさらに最適化するために、アトラシアン・プラットフォームに組み込まれた最先端の AI 機能です。
このブログでは、Atlassian Intelligence の使用事例と Jira Service Management の AI 機能について詳しく説明します。
サービス管理で AI を使用するメリット
面倒なタスクにいつでも対応してくれるチームメイトがいるとしたら、どんなに素晴らしいでしょう。それは倫理に反しているように思えるかもしれませんが、そのチームメイトが退屈な作業を退屈だと感じることなく処理してしまうとしたら、いかがですか?ここで、新しい仮想チームメイト、Atlassian Intelligence をご紹介します。
Atlassian Intelligence では、以下が可能です。
作業をスピードアップする
議事録の要約を任されるのが好きな人はいますか?文筆家である私でさえ、好きではありません。Atlassian Intelligence は議事録を要約するだけでなく、Confluence に投稿することもできます。当社の AI ツールは、Jira で新しい作業を定義するのに役立つだけでなく、Jira Service Management 内のインシデントやチケットに対して思いやりのある有益な対応を提供するのにも役立ちます。
すばやく質問に答えて学べる
他のチームの専門用語や社内の新しい流行語に遭遇して、すぐに理解できず困ったことはどれくらいありますか?Atlassian Intelligence は、それらの用語をすばやく定義したり、詳しく説明したりできます。これにより、他のチームに問い合わせても正しい答えが得られず、再び問い合わせるという手間が不要になります。アトラシアンの AI ツールを使用すれば、信頼できる唯一の情報源に驚異的な速さで接続できます。
人間のようなクエリ
すべての Jira Cloud 製品に対応:Atlassian Intelligence はお使いの言語を話します。自然言語のクエリを受け取り、それを JQL や SQL に変換します。
すぐに役立つ情報を入手する
Jira Service Management の仮想エージェントがあれば、従業員は Slack と Microsoft Teams で 24 時間いつでもサポートを受けられます。待つ必要なく疑問が解決します。
AI に対するアトラシアンのアプローチ
現代のテクノロジーの世界で広まっている AI に関する誇張された噂や願望を聞いたことがあるでしょう。しかし、アトラシアンの AI は、人間の仕事を置き換えることや、さらに言えばすべての仕事をなくすことを目指しているのではありません。アトラシアンは、より効果的な作業環境を提供すると同時に、日常業務をはるかに楽にすることを目指しています。それは、あなたの才能を活かし、より高い品質をより速く提供するためのツールを提供することです。
Atlassian Intelligence は、最先端のモデルと、アトラシアン・プラットフォームの機能とデータを組み合わせています。これは、Teamwork Graph で体験できます。アプリとコネクテッド・データのエコシステムに加えて、アトラシアンの製品には 20 年以上にわたるチームワーク・データが蓄積されているため、Teamwork Graph は、ジェネレーティブ AI とアシスト AI 両方のユニークで強力なアプリケーションを可能にします。
Atlassian Intelligence は信頼の上に成り立っている
アトラシアンは、AI の力は人間に取って代わるためではなく、目標を達成するために人間の能力を高めるために使うべきであると強く信じています。そのためにアトラシアンが AI で最も重視しているのは、信頼です。
アトラシアンの使命は、すべてのチームの可能性を解き放つことです。そして、それをコントロールするのはテクノロジーではなくユーザーです。アトラシアンの AI 機能をいつ、どこで、どのように利用するかに関する決定権は、Atlassian Intelligence チームが持っています。
Jira Service Management は、データの安全性が保証されているため安心してお使いいただけます。Atlassian Intelligence を介して送受信したデータと回答は、ユーザー体験を提供するためにのみ使用されます。顧客間でモデルをトレーニングしたり、顧客間で共有したり、OpenAI のモデルやサービスを微調整または改善したりするために使用されることはありません。
各データ・リクエストは、SSL 暗号化サービスによって OpenAI に個別に送信され、処理されて、アトラシアンに返されます。
アトラシアンのセキュリティへの取り組みの詳細については、AI Trust Center をご覧ください。AI に対するアトラシアンのアプローチと責任あるデータ処理への取り組みの詳細をご確認いただけます。
アシスト AI とジェネレーティブ AI の違い
アトラシアンは、Jira Service Management にアシスト AI とジェネレーティブ AI の両方を搭載し、チームが優れたサービス体験を提供できるよう支援しています。
アシスト AI は人間とコラボレーションすることで人間の能力を高め、タスクを効率よく実行し、より良い意思決定を行えるようにします。アトラシアンの ITSM には、類似のインシデントをグループ化したり、関連するコンテキストを表示したりする機能や、仮想エージェントなどが搭載されています。これについては、後にデモにてご説明します。
一方、最近話題のジェネレーティブ AI は、より自律的な AI であり、新しいオリジナルのコンテンツやアイデアを生み出すことができます。
このように最先端の AI テクノロジーを組み合わせることにより、チームが答を見つけて即座にヘルプを提供し、迅速に状況を把握し、面倒で時間のかかる作業をスピードアップして、顧客の時間を節約し、実際に人の手を必要とするタスクに集中できるようにサポートしています。
仮想エージェントの設定:AI による回答とインテント・フロー
Jira Service Management では、AI を使用して課題に対応するための画期的なワンストップ・ソリューションである仮想エージェント・ツールを利用できます。仮想エージェントを使うと、以下が可能になります。
- エージェントの時間を解放する
- アクセスしやすくインタラクティブなナレッジ・ベースでスピードを上げる
- 年中無休のセルフサービスサポートを提供する
- 階層 1 のサポート課題を自動化する
仮想エージェントを設定する主な方法は、自動化したいリクエストのタイプと複雑さに応じて 2 つあります。これらの一方または両方を使用して、チケットを減らし、カスタマーに迅速にサポートを提供できます。
AI による回答
ジェネレーティブ AI を使用して、リンクされたナレッジ・ベース・スペースを検索し、カスタマーの質問に対する回答を生成します。
この機能を使用するには、Atlassian Intelligence を有効にする必要があります。
AI による回答は、仮想エージェントをすぐに使い始めるのに最適です。この設定オプションは、ナレッジ・ベースにすでにドキュメントが存在する(または簡単に追加できる)課題、情報や指示を提供することで解決できる課題、または通常は人間のエージェントにエスカレーションする必要がない課題に最適です。たとえば、会社の休日、Wi-Fi へのアクセス方法、BYOD の設定、人事ポリシーなどに関する質問です。
インテント・フロー
仮想エージェントを設定するもう一つの方法は、カスタム・インテント・フローを使うことです。これらは、仮想エージェントへのサポートを求める応答に応じて異なる、事前に定義された会話進行です。
仮想エージェントのインテント・フローを使用するために Atlassian Intelligence を有効にする必要はありません。
AI 課題の要約とエディターでのジェネレーティブ AI
リクエストやインシデントに迅速に対応して解決する能力を向上させるための、ウェブ課題ビューの機能をいくつか紹介します。
シームレスな IT サポートの切り替え
課題を処理していると、会話がかなり入り組んで理解しにくくなることがあります。また、一部のヘルプでは異なるタイムゾーンのエージェントを活用する必要があることもあります。エージェントは、時間をかけて会話スレッドをすべて読んで理解する代わりに、チケットとすべてのディスカッションの明確で簡潔な要約を得ることができます(どのトラブルシューティング記事がすでに送信済みかなど)。これらの要約はすべて Atlassian Intelligence によって生成されます。
課題の要約を適切な口調で
カスタマーのニーズに対応していると、イライラすることがあります。また、トラブルシューティング中、正しい口調でコミュニケーションをとることが難しいこともあります。Atlassian Intelligence では、AI を活用して回答の下書きを作成することで、自分の口調を確認したり、適度に共感を加えて状況を緩和したりできるので、目前のより重要な課題からコンテキストを切り替える必要がありません。
エディターの AI
Atlassian Intelligence はとても役立つ存在ですが、コントロールするのは常にあなたです。人間のやることは、100% の確率でうまくいくとは限りません。Atlassian Intelligence を使えば、スピードや正確さを犠牲にすることなく、思慮深く行動できます。繰り返しますが、AI は人間が少し監視しなければ意味がありません。
AI を使って最良のリクエスト・タイプを見つけ出す
優れたサポートを提供するためにはどのリクエスト・タイプを設定すればいいか悩んでいますか?アトラシアンは現在、チームがサービス・デスクに最も適したリクエスト・タイプを見つけるのに役立つ新機能をロール・アウト中です。新しいチームの多くはどのリクエスト・タイプが利用できるか知りませんし、既存のチームの一部は古いテンプレートに頼りすぎています。それでは、始めましょう。
1. 「プロジェクト設定」の「リクエスト・タイプ」ページに移動します
アイコン:Atlassian Intelligence2. ページの右上隅にある「 提案」を選択します
3. AI テキスト・フィールドに、リクエスト・タイプの目標の簡単な説明を記入します
4. 「実行」を選択します
5. AI 機能を使用します
6. ニーズと一致するリクエスト・タイプを選択します
Atlassian Intelligence を有効化する方法
ここでは、アトラシアンの管理で Jira Service Management に Atlassian Intelligence を有効にしたい管理者を対象に、簡単に説明します。
1. admin.atlassian.com に移動し、左側のナビゲーション・パネルから「Atlassian Intelligence」を選択します
2. Jira Service Management と、Atlassian Intelligence を有効にしたい他のアトラシアン製品を選択します
3. 「保存」を選択し、利用規約を読んで同意します
4. これで、選択したすべての製品で Atlassian Intelligence が有効になります
Atlassian Intelligence を今すぐ有効化する
Jira Service Management とアトラシアンのすべての Cloud 製品で、AI を活用してチームを日常タスクから解放しましょう。今すぐ AI を有効化して、仕事をスピードアップする方法、その場で学び、まるで人間相手のように質問する方法をご確認ください。
AI を使って BSM を終わらせるための戦い
次のような症状を経験したことはありますか?
- 肥大化した予算?
- 視認性が低い?
- チームメイトが苛立つ?
- セットアップが複雑?
- エクスペリエンスが時代遅れ?
- デプロイが麻痺?
アトラシアンは BSM(Bad Service Management)を完全に阻止することに専念しています。その解決策となるのが、Atlassian Intelligence を活用した Jira Service Management です。私たちの働き方が変化し、経済的障害が克服され、そしてテクノロジーが変化した結果、ITSM は進化しました。上記の症状のいずれかが発生している場合は、時代遅れの ITSM プラット・フォームで作業している可能性があります。
Jira Service Management がどのようにチームをスピードアップできるかについて詳しく知りたい場合は、アトラシアンの無料サービスをご利用ください。