施設チーム向けのサービス管理
概要
Jira Service Management は、施設チームがワークフローを管理して合理化し、コミュニケーションとコラボレーションを改善し、全体的な業務を強化するための強力なツールです。施設チームは Jira Service Management の機能を活用し、施設関連のリクエスト、タスク、プロセスを効果的に処理し、組織により良いサービスを提供できます。
このガイドは、施設チームが Jira Service Management を使い始め、固有のニーズに合わせて最適化できるようにすることを目的としています。
施設チームによる Jira Service Management の使用を開始する
施設サービス管理テンプレートで迅速に開始して実行する
これをまだ行っていない場合は、最初の施設サービス プロジェクトを作成する必要があります。Jira Service Management の施設サービス管理テンプレートには、保守の課題の報告、移動のリクエスト、イベントのリクエスト、施設チームへの一般的な質問など、各種手順のリクエスト タイプとワークフローがあらかじめ用意されています。
施設サービス管理テンプレートを使用してプロジェクトを作成するには、次の手順を実行します。
1. 上部メニュー バーの [プロジェクト] > [プロジェクトを作成] の順に選択します。
2. 開始するには、施設サービス管理プロジェクト テンプレート > [テンプレートを使用] の順に選択します。
3. チーム管理対象プロジェクトまたは企業管理対象プロジェクトのいずれかを選択します。
4. プロジェクトに名前をつけます。プロジェクト キーは、プロジェクト名に基づいて自動的に生成されますが、必要に応じて、独自のプロジェクト キーを作成することもできます。
5. 非公開またはオープンのいずれかのアクセス レベルと既定の言語 (チーム管理対象プロジェクトのみ) を選択します。
6. 既存のサービス プロジェクトと設定を共有するかどうかを選択します。共有する場合は、既存のプロジェクトの名前を指定します (企業管理対象プロジェクトのみ)。
7. [プロジェクトを作成] を選択します。
施設リクエスト タイプおよびフィールドをセットアップする
リクエスト タイプは、受信リクエストを定義して整理することで、チームが関連情報を把握し、より効果的に従業員を支援することを可能にします。
施設サービス管理テンプレートに付属する既定のリクエスト タイプに加えて、職場における危険の報告、ケータリング、駐車券、セキュリティ キーカード、定期点検など、施設のすべてのニーズに合わせて独自のリクエスト タイプを作成することもできます。
このような既定のリクエスト タイプにアクセスするか、独自のリクエスト タイプを作成するには、次の操作を実行します。
1. 施設サービス管理プロジェクトで、左側のメニューから [プロジェクト設定] を選択します。
2. [リクエスト タイプ] を選択します。
3. 編集する既存のリクエスト タイプを選択するか、[リクエスト タイプを作成] を選択して新しいリクエスト タイプを作成します。
リクエスト タイプにフィールドを追加する
リクエスト タイプは、複数のフィールド (担当者、報告者、リクエスト タイプ、説明など) で自動的に構成されます。フィールドを使用すると、支援を必要とするユーザーから取得された情報や、エージェントが使用する情報をカスタマイズできます。また、カスタム フィールドを追加することで、チームに役立つ情報を提供することも可能です。
希望の施設リクエスト タイプを作成したら、必要に応じてフィールドをドラッグ アンド ドロップするだけで、リクエストに必要な情報をすべて取り込めます。また、フィールドを選択するだけで、フィールドの値を編集できます。
リクエスト タイプにフィールドを追加すると、ポータル リクエスト フォームに表示されます。フィールドは、支援を必要とするユーザーに対して必須または任意に設定できます。また、エージェントに対してのみ表示されるように課題ビュー フィールドを追加できます。
追加しようとしているフィールドが利用できない場合は、最初に作成する必要があります。
施設チーム向けに作成されたフォームで、より関連性の高い情報をより迅速に収集する
フォームでは、条件付きロジックによってフィールドを動的に表示または非表示できます。フォームには、見出し、フィールド検証、表、詳細な書式設定を含められます。必要なすべてのフィールドが 1 つのフォームに含まれているため、従業員はどのような情報を提供すればよいのか、正確に把握できます。
リクエスト タイプをすぐに使い始めるもう 1 つの方法は、Jira Service Management で事前に構築されたフォーム テンプレートを利用することです。利用できる既存のフォームは 44 種類以上ありますが、チームのニーズに合わせて独自のフォームを簡単に作成することもできます。
ポータルのフォームを使用して、顧客がリクエストを登録した際に顧客からより構造化された情報を取得したり、フォームを使用して課題を作成したりできます。また、フォームを既存の課題に追加して、チェックリストとして使用したり、課題の進捗に合わせて顧客やチーム メンバーから新しいデータを収集したりできます。
Jira Service Management でフォームにアクセスするには、次の操作を実行します。
1. 施設サービス管理プロジェクトで、左側のメニューから [プロジェクト設定] を選択します。
2. [フォーム] を選択します。
3. [フォームを作成] を選択して、新しいフォームを作成します。
4. フォーム テンプレート リストから [施設] をクリックし、使い始めるフォームを探します。
施設リクエスト チャンネルをセットアップする
施設サービス プロジェクトには、カスタマイズ可能な従業員用のオンライン ヘルプ センターがあります。ヘルプ センターから、従業員はアクセス権のあるすべてのサービス プロジェクト ポータルの閲覧、リクエストの送信、組み込みのナレッジ ベースの検索を実行して自己解決することができ、これにより、受信リクエストを回避できる可能性もあります。また、従業員は、ヘルプ センターの「マイ リクエスト」セクションからリクエストを参照することもでき、リクエストの状況をより明確に把握できます。
施設チームに、従業員とのコミュニケーションを図るための専用メール アドレスやチャット チャンネルはありますか? 付属のヘルプ センター ポータルに加え、施設チームはこれらのチャンネルを Jira Service Management に接続することで、リクエストの受け付けを合理化し、作業を一元管理することもできます。Jira Service Management の独自のリクエスト チャンネルについては、詳細をご確認ください。
キューおよび SLA (サービス レベル アグリーメント)
Jira Service Management のキューと SLA は、整理された効率的な施設サービスの提供を可能にする重要な機能です。従業員のリクエストをキューに整理して、リクエストが来るたびに素早く表示、優先順位付け、割り当てを行うことができます。
Jira Service Management には、保守の課題の報告や移動のリクエストなど、すぐに使える施設キューが付属しています。さらに、チームが使いやすいように、リクエストを整理するキューを自由に設計することができます。たとえば、エスカレーション キューや、SLA に違反するリクエストのキューを設定できます。考えられる構成は多数あるため、チームにとって最適なキューのレイアウトを簡単に選択できます。
キューの並び替えには通常、SLA が使用されます。プロジェクト管理者は、追跡対象のリクエストのタイプと解決までの所要時間の概要を示した SLA 目標を設定できます。次に、これらの SLA の測定を開始、一時停止、または停止するタイミングに影響を与える条件やカレンダーを定義します (例: 休業となる祝日に停止)。管理者がプロジェクト用に SLA をセットアップしたら、エージェントは SLA を表示して、最初に解決する必要があるタスクと、それらをどの時間枠で解決すべきかを計画できます。
SLA の設定にアクセスするには、次の操作を実行します。
1. 施設サービス管理プロジェクトで、左側のメニューから [プロジェクト設定] を選択します。
2. [SLA] を選択します。
施設チームをプロジェクトに追加する
施設チーム内の他のメンバーを巻き込む準備はできていますか? 新しいプロジェクトをセットアップしたら、各チーム メンバーをエージェントとしてサービス プロジェクトに追加し、チーム メンバーの招待を開始します。
チーム メンバーを追加するには、次の手順に従います。
1. サービス プロジェクトのサイドバー メニューから、[チームを招待] を選択します。
2. エージェントとして追加するユーザーのメール アドレスを入力します。
3. [招待] を選択します。
4. エージェントはサービス プロジェクト チーム ロールに追加されて、サービス プロジェクトへのリンクを含むメールを受け取ります。
施設チームのための使い方のヒントとコツ
アセットを活用して、施設のインフラの全体像を把握する
アセットは Jira Service Management のネイティブ アセットおよび構成管理ツールであり、Jira Service Management Premium と Enterprise のプランで利用できます。アセットにより、チームはソフトウェア アプリケーションからウイスキー、エアコンまで、あらゆる種類の資産や構成アイテム (CI) を柔軟かつ動的に追跡できるようになり、CI をサービス リクエスト、インシデント、問題、変更、ワークロードに簡単にリンクさせることができます。
施設チームが Jira Service Management を使用すれば、管理責任のあるすべての資産を利便性に優れた 1 つの場所で追跡することができます。たとえば、建物の資産は、地域、オフィス、フロア、ルームごとに整理できます。各ルームでは HVAC システム、机、椅子、テレビ、消火器など、関連するすべての設備を追跡できます。設備は従業員に関連付けられるため、追跡や可視化が容易になります。例えば、各従業員に特定の机、椅子、セキュリティ キーカード、駐車券を割り当てることができます。
これらすべての情報が 1 か所にまとまっていればアクセスが簡単になるため、施設チームは、組織変更があった場合や何かが正常に機能していない場合などに十分な情報に基づき、資産の管理と維持の方法について判断を下すことができます。
レポートおよび顧客満足度
施設マネージャーが受け取るリクエストの量と種類、および各チームの作業負荷を一目で把握できれば、月次レポートの作成は簡単になります。施設マネージャーは Jira Service Management のデータを使用して、チームの規模拡大に関する十分な情報に基づいて意思決定を行ったり、改善すべき場所を把握したりできます。
Jira Service Management では、フィードバックを収集するために顧客満足度調査も提供しています。リクエストが解決されると、顧客に対してメールを自動で送信します。サービス プロジェクトで顧客満足度調査 (CSAT) が有効になっている場合、このメールには顧客が評価やリクエストの処理方法に関する書面によるフィードバックを残すためのフォームが含まれます。一度提出された顧客アンケートは、顧客満足度レポートに掲載されます。
レポートにアクセスするには、次の操作を実行します。
1. サービス プロジェクトのサイドバー メニューから、[レポート] を選択します。
2. 表示するレポートを選択します。
Jira Service Management のレポートに関する詳細
顧客満足度アンケートの設定にアクセスするには、次の操作を実行します。
1. 施設サービス管理プロジェクトで、左側のメニューから [プロジェクト設定] を選択します。
2. [満足度設定] を選択します。
施設サービス デスクを自動化する
Jira Service Management の自動化は、数回のクリックだけでセットアップできる「ローコード/ノーコード」の機能です。プロセスとワークフローを自動化することで、あなたとそのチームは手作業で反復的なタスクを実行する必要がなくなって、重要な作業に集中できるようになります。たとえば、施設チームは自動化機能を使用すれば、定期点検や保守のリマインダーを Jira Service Management の施設リクエストとして自動的に送信できます。また、自動化により、新入社員への机やキーカードを割り当て、名刺を印刷するなど、新入社員のオンボーディングに関連する設備のサブタスクについてリストを作成できます。自動化により、チームに合ったサービス デスクを作成するという柔軟性が得られます。
Jira Service Management の自動化にアクセスするには次の操作を実行します。
1. 施設サービス管理プロジェクトで、左側のメニューから [プロジェクト設定] を選択します。
2. [自動化] を選択します。
スポットライト: アトラシアンが Jira Service Management を施設サービス管理で使用する方法
アトラシアンの Workplace Experience チームでは、アトラシアン オフィスの日常的な運営と管理、およびリモート エクスペリエンスを担当しています。これには施設、ゲスト サービス、イベント (対面式およびバーチャル)、従業員報酬、オフィス内での飲食サービス、ウェルネス プログラムなどが含まれます。
問題
さまざまな形式のチケット、メッセージ、直接の質問、1 回限りのリクエストが殺到した結果、スプレッドシートでは対応できず、必然的にタスクをうっかり見落としてしまうことがわかりました。
解決策
リクエストの可視性を高めるために、Workplace Experience チームはオフィスで発生した課題、事務用品の注文、ゲスト サービスのニーズ、飲食に関する問題などに対するあらゆるリクエストを Jira Service Management で一元管理しました。
やり取りをさらに減らし、より効率的にリクエストに対応するため、チームは動的なフォームを利用しています。この機能により、従業員から関連情報を収集できます。また、変更が必要であれば、Workplace Experience で管理者を介さずにフォームを簡単に設定できます。
結果
Jira Service Management により、Workplace Experience チームは、タスクに関する説明責任と透明性を確保し、タイムラインを明確に想定することで、作業をより適切に管理し、アトラシアンのチームにより良いサービスを提供できます。また、チームは傾向をより正確に予測し、最新の企業ニーズに対応するために事前に計画できます。全体として、Workplace Experience チームは、改善され、よりパーソナライズされたエクスペリエンスをアトラシアンの従業員に提供できるようになりました。
Jira Service Management がすべてのチームに優れたサービス エクスペリエンスを提供するのにどのように役立つかについて、詳細をご覧ください。