IT サポート ワークフローを改善する方法
継続的なサービス改善のガイド
どの企業でも、サービスを実施・運用する際には混乱します。多くの場合、まさに目に見えない非効率性によって、競争上の優位性が損なわれ、時間と費用がかかり、ユーザー・エクスペリエンスが低下します。
改善が必要な領域を認識し、段階的に変更を行うことが ITIL の CSI(継続的なサービス改善)の基本原則です。このガイドでは、現代の IT チームが CSI を ITSM(IT サービス管理)プロセスの継続的なステップとして実施する方法と理由についてご説明します。
継続的なサービス改善とは
CSI では、進化するビジネス・ニーズや業界標準に合わせながら、IT サービスを最適化することを目指しています。ITIL サービス・ライフサイクルの最後のステップとして、CSI は新規または変更されたサービスの本番環境への移行の後に続きます。
CSI では、IT チームはインシデント・レポートやフィードバックなどのデータを収集します。そのデータを分析し、プロセス、サービス、知識、ユーザー・エクスペリエンスを改善する機会を特定します。
継続的なサービス改善の主要な概念
コラボレーションによって効果的に CSI を実施します。優れた企業では、障害を見つけるのではなく、機会を特定して段階的な改善を実施することに重点を置く環境を醸成します。実績のあるフレームワークを利用して CSI に取り組むことで、IT チームは勢いを保つことができます。
PDCA サイクル(計画、実行、評価、改善)は、CSI で最も一般的に使用される効果的なアプローチの 1 つです。
- 計画:チームは、改善が必要だと特定された領域についてギャップ分析を行います。次に、統合の前に、開発者からサービス・チームのメンバーへの知識の伝達を改善するなど、そのギャップを克服する方法を計画します。
- 実行:チームは計画を完了します。特定のマイルストーンでのナレッジ・ベースの実装やタスクの自動化が必要になる場合があります。
- 評価:チームは、計画でまとめた目標に基づいて、計画の結果をテスト、監視、測定します。一例としては、予想される、統合に関連する受信サービス・チケットの 75% に対してソリューションを用意し、ナレッジ・ベースに文書化します。
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改善:チームは、改善点をテストしてから、ITIL ライフサイクル全体に実装して組み込みます。
継続的なサービス改善のメリット
多くの場合、CSI を実施している企業では、IT 部門や企業全体で次のようなメリットを実感しています。
- 全体的なサービス品質が向上する。
- 解決時間が短縮される。
- 顧客満足度が向上する。
- 効率が向上し、ナレッジ共有が改善して、コストを削減できる。
- 履歴データを利用できる。
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競争上の優位性が向上する。
Jira Service Management などの ITSM ソフトウェアにより、IT チームは CSI プロセスを自動化し、改善イニシアチブの成功を測定し、効率を向上させることができます。
CSI プロセスの 7 つのステップ
CSI プロセスの 7 つのステップにより、チームは継続的な改善を構造化して実施できます。以下に概説する方法は、複雑なイニシアチブに対応できる、IT 固有のアプローチです。計画フェーズを分割して、ビジネス目標、利用可能なリソース、関係者とのコミュニケーションを検討します。
1. 改善のための戦略を特定する
CSI プロセスを始めるには、改善が必要な領域を特定します。たとえば、最近変更したサービスにより、ユーザーのログインの問題が発生している可能性があります。チームは、改善する領域をビジネス目標、顧客のニーズ、利用可能なリソースと一致させることで、戦略を構築できます。これにより、チームは全体的な目標や製品ロードマップで明確に示された領域に集中できるようになります。たとえば、チームは、終了予定のサービスを改善しないことを選択できます。
2. 測定できる内容を定義する
入手可能なデータと予算の制約に基づいて、KPI(主要業績指標)や指標を特定します。入手可能なデータの利便性は、リソースの割り当てや改善のための支出に影響を与える可能性があります。チームは、データの価値と収集コストのバランスを取る必要があります。
3. データを収集する
情報は、サポート・インシデント、顧客からのフィードバック、プロジェクト履歴など、あらゆる情報源から得られます。成熟した開発プロセスには、インシデント統計などの自動データ収集などがあります。とはいえ、チームは、カスタマー・レビューやユーザー・フィードバックなど、一部のデータを手動で収集する必要があります。
4. データを処理して分析する
データを整理して、最も有意義なインサイトを提供します。たとえば、チームが特定のサービスの稼働時間を改善する必要がある場合、そのサービスに関連するすべてのインシデントの解決までの合計時間を比較します。チームは、不要または不正確な情報を排除するために、データのクリーンアップが必要になることがあります。
データの準備が整ったら、チームは結論を導き出せます。たとえば、対象のサービスは統合時にテスト指標に合格したものの、見落とした他のサービスにより互換性の問題が生じたことに気付く場合があります。
5. 調査結果を提示する
調査結果の提示は、関係者やチーム・メンバーからの支持を得るのに役立ちます。現状と、改善計画で期待される成果との比較を説明するのに視覚的なプレゼンテーションが役立ち、全員が容易に理解できます。
6. 改善イニシアチブを実施する
次に、チームは改善を実施するために必要なステップを定義して実行します。タスク、責任、タイムラインの設定などを行います。
7. レビューして、継続的に改善する
新しい技術、リソースの変更や、より多くのサービスを提供するためのプレッシャーが増すと、問題やギャップが生じるリスクが高まります。レビューして継続的に改善するという標準化されたプラクティスにより、チームは問題を早期に特定して排除できます。
CSI のベスト・プラクティス
最も重要なプラクティスは、継続的な改善の文化を確立することです。協調的なチーム環境では、責任を転嫁することなく問題点に焦点を当て、チーム・メンバーがアイデアを共有し、解決策を提供できるようにします。重点領域に関する提案は、エンド・ユーザー、関係者、チーム・メンバーなど、あらゆる場所から得られます。
改善点を文書化し、関係者と共有して、チームやそのサービスへの信頼を高めます。また、こうすることで、過去の問題に対する根強い否定的な態度を和らげることができます。
あらゆる IT チームが、時には予期しない問題を経験します。データに基づいて積極的に改善するのは、成熟した企業の証です。
Jira Service Management による継続的な改善
チーム・コラボレーションは、継続的なサービス改善の中心です。その理由は、コラボレーションによって企業は問題を乗り越え、サービスを段階的に改善できるためです。Jira Service Management などの最新の ITSM ソリューションでは、チームは統合されたエンドツーエンドのプロセスで CSI イニシアチブを管理できます。
Jira Service Management は、Jira Software や Bitbucket とネイティブに統合し、ITSM ソフトウェアの機能によって継続的な改善プロセスをサポートします。Jira Service Management では、チームがインシデントの管理、リクエストの合理化、データ収集、ナレッジ共有を一元化された形式で行えるようにすることで、上述の 7 つのステップをサポートします。
詳細については、ITSM のための完全ガイドをご覧ください。開発者が Jira Service Management を利用する方法の詳細はこちら。
継続的なサービス改善:よくある質問
CSI の課題は何ですか?
CSI の課題は他のプロジェクトで見られる課題と同様で、リソースの可用性、時間、データの収集と可用性、標準運用プロセスへの統合などがあります。
パートナーの製品の問題についてパートナーから情報を入手するのは難しい場合があり、多くの場合、関係者は新機能を重視します。変更に対する抵抗もよくあることです。協調的なアプローチを構築すると、これらの課題の多くを軽減でき、チーム・メンバーは CSI のメリットを認識できるようになります。
ITIL フレームワーク内での CSI と他のフェーズとの違いは何ですか?
ITIL は、サービス戦略とサービス運用計画を通して、本番環境での変更をビジネス目標に合わせるよう設計されたサービス・ライフサイクルです。多くの場合、ITIL は CAB(変更諮問委員会)から始まります。CAB は実施する変更を決定し、ITIL サービス戦略の策定もします。新しいサービスや変更されたサービスが本番環境に正常に実装された時点で終了します。
CSI は、継続的な改善の重点分野として、ITSM(ITサービス管理)の一環として始まりました。開発プロセスや本番環境での修正可能な問題を特定することを目的としています。CAB チームではなく、IT チームがこれらの改善点を決定します。改善はビジネス目標に沿ったものである必要があります。
企業が CSI の実施を始めるにはどうしたらよいですか?
CSI の取り組みを始めるには、協力して問題を解決するという考え方に変えましょう。次の点に留意しながら、この記事で説明されているステップを実行します。
- シンプルに:簡単に達成できる目標を見つけて、チームが改善するための余裕がある問題に対処します。
- コラボレーションする:問題を引き起こしたメンバーではなく、解決策に重点を置きます。
- KPI を定義する:入手可能なデータで測定できる KPI に重点を置きます。
- 改善を実施する:他の IT プロジェクトと同様に、タスク、責任、ナレッジ共有を利用して実行します。
- 改善点を関係者と共有する:これにより、チームとそのサービスに対する信頼を高めます。
CSI を ITSM プロセスの継続的な要素にする:これにより、IT チームは長期的な改善や全体的な成功を測定できます。
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